住所特定する方法

ローンの返済が滞っている滞納者宛に督促状を送付したら
「あて所に尋ねあたりません」
と返送されてきてしまった。

 

その住所には住んでいないことになります。

 

 

現在どこに住んでいるのか?

 

その住所を特定するために、住民票を取得して債権者である金融機関は調べるのです。

 

 

でも他人の住民票って勝手に取得していいの?

 

 

第三者が住民票を取得する場合は、

 

特定事務受任者と呼ばれる弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、行政書士が職務上の必要がある場合は請求することができるのです。

 

 

しかし、消費者金融などの金融機関は特定事務受任者に該当しないのですが、

 

 

住民基本台帳法第12条の3には、
第三者であっても正当な理由があり、その住民票の請求申出を相当と認めた場合、交付することができる旨が記載されています。

 

その正当な理由にあたるものの例のひとつが

 

・債権者(金融機関、不動産賃貸事業者等)が、債権回収のために債務者本人の住民票(写)
を取得する場合。

 

 

以上の理由から、滞納者の住民票請求を消費者金融は行うことができるのです。

 

 

 

例えば、
世田谷区にお住いのローン滞納者Aさん。

 

督促状を送っても宛先不明で返送

 

転居している可能性があるので、世田谷区役所にAさんの住民票請求を行います。

 

 

請求する際に必要なのが、住民票申請書、滞納者の金銭消費貸借契約書の写し、請求者の本人確認書類、小為替、返信用封筒などです。
住民票請求代は、各市区町村によって異なるのですが、200円〜500円と料金が異なります。小為替で支払います。

 

 

世田谷区から住民票を取り寄せたら、転居していることが判明。
転居先住所が記載されている。江戸川区に転居していることが分かった。

 

そして今度は江戸川区役所に住民票請求を行います。
この時点で、江戸川区に転居していることが分かったからといって江戸川区で住所確定ではありません。そこからまた転居している可能性もあるかもしれませんので、また住民票請求を行うのです。

 

江戸川区から請求した住民票が届いて、そこから転居していないことが判明したら、ここでようやく住所特定です。

 

 

特定した住所に督促状を郵送します。

 

 

 

 

返済が遅れている人は、それだけ利息が貯まっているのだから返済してくれたときには利益になるんじゃないの?と思われている方もいるかもしれませんが、延滞顧客の管理は、督促にかかる電話代、人件費、住民票請求にかかる手数料、郵送代、さらには法的回収をするとなったら裁判所費用などがかかるので、コストがかかるのです。