他人に勝手に個人信用情報を調べられることはあるのか?

 

借入れに関するデータが登録されている個人信用情報機関、JICC、KSC、CICなどの機関があります。
信用情報とは、貸付金額、残高金額、返済状況等など取引に関する情報が記載されています。

 

自分の信用情報を調べるには、信用情報機関に来店・郵送、またはインターネットで本人確認が取れれば開示をしてもらうことができます。

 

例えば、家族など身内が本人に借金があるかどうか調べたいから、信用情報開示してほしいといっても原則本人以外に開示することはありません。

 

 

就職で調査されることも

 

一部の企業では、入社時に信用情報を調べる会社があります。調査するといっても企業が本人の同意もなく勝手に信用情報を調査するのではなく、入社した社員に信用情報の開示手続きをしてもらいそれを企業に提出させる。

 

かつてALSOKという警備会社が全社員を対象に、トラブル予防などを 理由に自分の借金総額や返済状況などの信用情報を提出するよう求めていましたが、それが問題となり中止となっていました。

 

ATMのトラブル対応や精査業務など現金を取り扱う仕事なので、分からなくもないですが、消費者金融に勤めていると警備会社の社員の方と接する機会は多く何度も顔を合わせます。消費者金融社員でさえ入社時に信用情報調査はないのに、警備会社の人だけ信用情報調査されるというのも何かな?と思いますが、取引先の企業に対し信頼をアピールする目的もあるでしょうが、今では就職時に信用情報調査する企業ってほとんどないのではないでしょうか?都市伝説レベルだと思います。

 

知り合いに消費者金融社員がいれば・・・

 

コンプライアンスの研修で聞いた話なのですが、昔某社員が知人から「俺の信用情報調べといてくれない?」と依頼され、その社員は信用情報を取得してしまう。そしてその情報を伝えてしまったのです。

 

この行為、ダメなのです。

 

信用情報は、審査する消費者金融が本人から取得同意いただいても、取得した信用情報の内容を本人に開示してはダメなのです。自分の信用情報を知るには、あくまで本人自身が開示手続きをしないとダメなのです。

 

消費者金融社員になると、他人の個人信用情報を取得しようと思えばできるのですが、もしやったとしても誰が取得したかなんて履歴が残るのですぐに分かります。

 

信用情報機関の利用規約違反な行為なので、その社員の処分は当然であり最悪の場合、信用情報機関から一定期間信用情報取得禁止されてしまうこともあります。信用情報取得禁止となると、当然審査ができないので営業ができないことになるのです。

 

配偶者貸し付けで旦那の信用情報を勝手に取得

 

2010年に貸金業法が改正され総量規制が導入されて以降、収入がない妻(夫)が消費者金融系カードローンを利用するには、配偶者の同意が必要です。審査では、申込者本人と審査対象となる配偶者の両者の信用情報も取得します。

 

しかし、法改正以前の配偶者貸し付けは、
例えば収入のない専業主婦の妻がカードローンを申込み、旦那様を審査対象としても信用情報を取得するのは申込者本人の妻のみであり、旦那様の信用情報は取得していなかったのです。

 

それを何を勘違いしたのか、必要のない旦那様の信用情報を勝手に取得してしまう事例が何件が発生し、中には謝罪にお宅に伺い、玄関先の道路に頭をつけ土下座したという話も聞いたことがあります。

 

今では、法改正もされ審査内容も変わり、配偶者貸付は旦那様の同意を得たうえで取得が義務付けられています。