消費者金融に株式会社の代表取締役が申込みにくる
消費者金融は、会社員・アルバイト・パート・派遣社員など個人を対象に融資を行っています。
会社の社長も申込みにくることがあるのですが、個人事業主(自営業者)や中小企業の経営者くらいまでを融資対象としています。
実はある日、東京都と周辺地域を中心に某事業を展開している代表取締役社長の方が申込みにきたのです。
話を聞くと、その社長は年商14億、店舗の数は30店舗、従業員は100名以上を抱えている方なのである。
これ程の方であれば、消費者金融などに申し込まず銀行に行かれるのが普通なのだが・・・
こちらは、く事業資金の調達かと思って一応資金使途を伺ったところ、
使い道は海外旅行にいくためと答えたのである。
まあ借入れ理由はどうあれ、特段な事情でもあるのかなと審査を進めていく。
審査に関わる聞き取りはすべて終えて、それでは審査結果が出るまでお待ちくださいと伝え奥の部屋へ引き上げていく。
そこで副支店長と、融資をするかどうか相談をしたところ、
どこか怪しいという話になった。
信用情報を確認したところ1社のみ借入れをしていて、
契約日は半年前、返済は遅れているわけではないので問題はない。
念には念をと、
ネットで一応この会社のことを調べてみた。
会社のページの中で、社長のブログがあったのでチェックしてみたところ半年以上ブログの更新がなかったのだ。
そのブログの更新がなくなった最後の投稿日が、
信用情報で確認した借入れ契約日と同じ日だったのである。
スコアリング審査は特に問題なかったのだが、
どこか不信という理由で融資を断った。
1円も貸してくれないのかと言ってきたが、
大変申し訳ございません当社の融資基準によりまして・・・
と伝え退店してもらった。
それから2日後、
テレビからで株式会社○●倒産というニュースが流れてきた。
株式会社○●?
どこかで聞いたことがある会社だな?
次に社長が謝罪している映像に切り替わり
顔を見たら・・・あっこの前申込みに来た人だ!
ニュースの内容によると、
赤字経営により資金繰りが悪化し従業員への給与の支払いや取引先への支払いも遅延している状態であったという。
そのためここ最近では、金融機関からの融資を得るために資金調達に奔走していたという。
もし融資をしていたら、最悪破産されて回収不能になっていたところである。