アイフル、アコム 消費者金融株価の変遷



今でこそ消費者金融の多くは銀行傘下となっているが、2000年代までは消費者金融専業で行う複数の企業が、東証1部に上場していた。

 

ところが、2020年現在では消費者金融専業で1部上場している企業はアイフルとアコムの2社のみ。

 

 

かつて上場していた消費者金融は、

 

武富士(8564) 1998年12月に東証1部上場、2010年10月に上場廃止。

 

三洋信販(8573) 2007年12月19日上場廃止

 

プロミス(8574)東証1部1994年12月15日〜 2012年3月28日。三井住友フィナンシャルグループがプロミスを子会社化。

 

 

倒産や銀行グループ傘下になる等で、上場を廃止しています。

 

 

 

続いて、2020年現在も上場しているアイフルとアコムの株価の変遷を見てみます。

 

 

アイフル(8515)

 

アコム(8572)

 

 

↑過去20年のアイフル、アコムの株価を見ると2006年頃から下落トレンドになっている。

 

2006年に何があったかというと、最高裁で利息制限法を超える金利の受け取りを制限する判決を出したためである。

 

この結果、過払い金返還請求が急増。

 

さらに、貸金業法が改正され上限金利が利用限度額に応じ15〜20%引き下げ、年収の3分の1を超える借金ができなくなった。

 

これらのことにより消費者金融は、過払い金の返還で経営が圧迫、融資額が抑えられたことにより利息収入が減、これまで信用が低い人でも29.2%の高金利で融資しリスクカバーできたが、上限金利引き下げで審査が厳しくなり、融資できる対象も減ってしまった。

 

 

上場来高値は、

 

アイフル 23,420円(2000/02/29)

 

アコム 14,830円(1999/09/02)

 

 

上場来安値は、

 

アイフル 41円(2010/10/18)

 

アコム 274円(2014/02/04)

 

 

 

最高値を見ると上場時から持ち株制度をやっていた従業員は、億万長者!?になった人もいたかもしれません。

 

ところがアイフルの下落っぷりが凄く、ピーク時の23420円→41円。

 

2020年6月現在では 270円まで株価を戻している。

 

将来、ピーク時の株価まで戻ることがあるか?となるとそれはおそらく無理であろう。

 

ただ、貸金業法が2010年に改正されて10年近く経過する。未だに法律事務所の過払い金のCMはよくみるが、そろそろ過払い金返還も終焉に近づいているので、消費者金融関連株は割安となっているので今後期待できる銘柄となっている。

 

 

現在貸出金利を限度額に応じ15〜20%を上限としているが、2014年頃に自民党が政府から認可を受けた健全な貸金業者に限り上限金利を29.2%に引き上げることができる方針を議論しているというニュースがあった。

 

20%以下では審査に通らず、借りれなかった人が闇金に流れてしまうのを防ぐためかと思いますが、いろいろと賛否もあります。実現すれば株価に当然影響があるでしょう。