中間管理録トネガワの『採用』が面白い!

『中間管理録トネガワ』は、福本伸行の作品『賭博黙示録カイジ』の登場人物の1人・利根川幸雄を主人公としたスピンオフ作品です。

 

現在、中間管理録トネガワはコミックス3巻まで発売されており、
3巻に収録されている『採用』という話が面白いです!

 

 

『採用』は、帝愛グループの入社面接の話です。
帝愛は大企業なので多くの人が志望してきます。

 

入社面接日当日、面接の案内には、
『あなたらしい自由な服装でお越し下さい』一文が書かれており、これが罠なのです。

 

帝愛は上下黒のスーツが暗黙の掟であり、この掟を知らない者が毎年2、3人ラフ私服できてしまい、面接の受け答えがどうあれそこで脱落するのです。

 

服装は自由です!たしかにこの文言は就活生にとっては非常に悩みますよね。スーツで行っても君の私服はスーツなの?と聞かれるケースもあるらしいですから、本当に困ります。

 

帝愛は、面接での質疑応答が終了し
「どうぞお気をつけてお帰りください」
と言われてしまったら不合格となります。

 

それでは、あちらのお部屋にと案内されたら合格になります。

 

 

また、荻、萩など紛らわしい苗字は不合格、熱意がありすぎるのも不合格、特徴のある目立つ顔も不合格と、他と混同する紛らわしい黒服も困るがその逆もダメと、非常に難しい微妙なところに合格となる深い採用基準です。

 

最終的に帝愛は25名を採用しています。大企業にしてはちょっと少ない採用人数な気もしますが、優秀な人材のみを選りすぐりした結果なのでしょう。

 

『採用』を読んで気になったのが、高学歴が帝愛グループの入社試験を受けにくることです。帝愛グループは消費者金融を 主体とする日本最大規模のコンツェルン会社ですが、消費者金融って高学歴の人は受けにこないイメージです。私が入社した時には慶応卒が1人だけいました。あとは、中堅レベル以下の大学出身ばかりです。その慶応卒だった同期は、1年間だけ現場の営業店を経験させて2年目から本社勤務になっていましたから、最初から高学歴は優遇される存在となっています。