上限金利の変化、今では考えられない109.5%

昭和50年代頃、サラ金と呼ばれていた消費者金融は高い金利と一部の業者の暴力的な取立てが社会問題となっていました。業界全体が高い批判を浴びていました。

 

そこで昭和58年に“貸金業の規制等に関する法律”いわゆるサラ金規制法が制定されました。悪質な取立てや過剰な貸し付けが制限されるようになりました。

 

返済能力を無視したどんどん貸し付けを行っていただけでなく、金利も当初100%を超えていたのです。当時出資法の金利の上限は109.5%だったのです。

 

もし、100万円を金利109.5%で借りていたとすると1ヶ月(30日間)の利息は、

 

100万円×109.5%÷365日×30日=90,000

 

1ヶ月当たりの利息はなんと9万円にもなっていたのです。
利息だけでこの金額ですので、返すときはこれに元金を含めて返しますから返済金額はさらに多いのです

 

これであると毎月利息しか入れられない人もいますから、なかなか元金が減っていかず、そして利息すら返済することも難しくなると、返済のためにまた借金をする自転車操業となり、多重債務に陥るのです。

 

その後出資法の上限金利は、法改正により109.5%から段階的に引き下げられていきます。

 

 

私が消費者金融で働き始めた時は、上限金利29.2%の時代でした。
29.2%が上限金利となったのは平成12年です。上限金利が引き下げらたことで、収益が減り経営が悪化し倒産する業者が相次いだそうです。

 

29.2%の金利ですが、消費者金融に勤めていた頃、契約書の棚卸作業をしていたことがあり、棚から過去に54.75%で契約したいたお客様の契約書を見つけると29.2%でずいぶん低くなったなと思っていたのですが、出資法はそこからさらに平成22年6月に利息制限法と同じく上限金利15%〜20%まで引き下げられたのです。

 

今の18%〜契約できる時代にしか知らない人にとっては29.2%は高い金利だと思われますが、当時は29.2%でも低いなと思っていたのです。その時代を経験していたかいないかで感覚のズレがあるので恐ろしいですね。

 

この限度額に応じた15%〜20%も高いから引き下げを求める活動をしている団体があるという話もあり、また2014年くらいの話ですが自民党は貸金業者に対する金利規制の緩和を検討し29.2%に戻すという話もあり、今後上限金利はどうなっていくかは今の時点では分かりません。

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