【臨店検査】　消費者金融版-花咲舞が黙ってない-

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【臨店検査】　消費者金融版-花咲舞が黙ってない-

2014年にドラマ化され話題となった池井戸原作の『花咲舞が黙ってない』

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銀行の臨店班に所属している花咲舞と相馬健のコンビが、問題を起こした支店へ直接出向き、支店の問題点を洗い出し業務改善できるよう指導・支援する。問題のある支店にしか行かないので歓迎されない仕事だが、臨店先での奮闘を描いたドラマである。

消費者金融にも臨店班がある

花咲舞が黙ってないは、銀行の臨店班の仕事を描いたドラマだが、消費者金融にも同様に支店に臨店をする部署がある。

臨店する部署は、金融機関によって『検査部』や『内部監査部』と呼ばれています。

消費者金融での臨店部署は、支店にきてどんな調査をするのか↓

検査は突然やってくる

花咲舞が黙ってないでは、不祥事を起こした店舗に臨店する設定でしたが、私の勤めていた消費者金融では、もちろん問題を起こした際に臨店することはあるが、まったく何もない状態でも定期的に臨店検査がありました。

ちゃんと不正を起こさずに営業をしているかをチェックしに内部監査の人間が3～4名くらいの人数でやってくるのですが、それがいつ臨店するか支店には知らされず突然いきなりやってくるのです。

スーツを着た男性4人がいきなりやってきて、最初お客さんかと思い、いらっしゃいませと声をかけるが無視、ドタドタと従業員スペースに入ってきて何事か？と思ったら、「監査部の者です」。本当にゲリラ的にくるのでびっくりする。

2～3年に1回くらのペースで臨店検査があるのですが、前回検査から2年くらい経つと、そろそろ検査がくることかな・・・とソワソワします。

何を検査するのか？

支店に臨店にきて具体的に何をするのかというと、

ATM精査

お店に併設しているATMの精査を監査の人が見ている前でやらされます。帳簿上データとATM内に実際にある現金が合っているかのチェックです。ATMの精査って時間がかかるので、精査中はATMを止めているので返済にきたお客さんはATMを使えず、店内に案内され窓口で返済をすることになります。精査して現金が合わないとなると、合うまで小銭・札束の枚数を数え直します。

ATM精査は、臨店時だけでなく月1回は必ず行う仕事なのですが、最悪のタイミングでの臨店は午前中にATM精査をやったのに午後に突然監査部が臨店に来て、ATM精査をやってくださいと言われることです。午前中にやったのですがと言ってもダメで、再度やってくださいとなる。

個人情報の管理は徹底しているか

　顧客の個人情報が書かれている書類は、鍵のかかる場所に保管されているか。顧客から預かった免許証や収入証明書のコピー、契約書など。また、Excelファイルで申請書類を作成をする際に顧客の個人情報に関わるデータを入力する際は、ファイルに必ずパスワードを設定。私もExcelでファイルを作成したがパスワード設定を失念し顛末書を書くことになったことがある。

支店の帳簿をチェック　不正な支出・横領はないか

　店内の金銭の出納をチェック。勘定科目を間違ってないかなど。また、福利厚生で家賃補助や住宅手当があるのだが、賃貸で住んでいると申告して家賃補助を受けていた社員。実際には、実家から通っていて不正に家賃補助を受けいた。他にも交通費を申請する際に、遠回りの路線で申請して最短ルートで申請せず差額分を返還しなければならないこともあった。

最近、新規契約した顧客のデータをチェック

　審査基準通り融資しているのか直近で新規顧客となった利用者のデータをチェックされる。先週貸付た人、基準だと20万円なのに何で30万円も貸してるの？審査時に源泉徴収票もらって審査してるけどそのコピーは保管してない、コピー忘れ？この顧客に電話してもう1回収入証明送ってもらって！など　過剰融資していないかなどをチェックされる。

モニタリングチェック

　お客様との電話での会話内容は録音されており、その会話内容を何件がランダムでピックアップし間違ったことを話していないかをチェックされる。ノルマを達成したいからという理由で存在しないキャンペーンで営業の話をする人もいた。「キャンペーン中で、今しか増額できないですよ！」など。

増額の希望が顧客から電話であり、審査では信用情報の取得が必要になる。信用情報取得は顧客の同意が必要だが、電話で信用情報取得の説明なしに勝手に取得しているなどモニタリングで指摘される。

また、お客様との会話内容は帳簿に記録しなければならない。顧客管理のパソコンに手入力で記録を行う。
電話で話したのに、なぜか来店でお客さんと話したことに登録されており、交渉内容の入力がメチャクチャ。もう電話しないでくれと言われてるのに、電話禁止の設定がされていないなど。

他にも臨店時にチェックされる項目はいっぱいあるのですが、もし不正が発覚するとその問題の改善と顛末書を書かされる。そしてボーナス査定に影響する。

臨店にくる監査部の人はどんな人か？

花咲舞は、20代の若い社員で臨店の仕事をしていますが、私が勤めていた消費者金融では30代～40代のベテラン社員が臨店の仕事をしていました。営業店の仕事を経験し業務のことが分かっていないとできないことだからです。ミスを指摘する仕事なので、監査部の人はあまり好かれてはいませんでしたが、過去に不祥事を起こした人が、不正する人間の気持ちが分かるから監査部に異動させられるという噂があった。